多余的話

大沢武彦のブログです。

(備忘録)釜山日記(3月20日から23日)

成田空港にて 3月20日から23日にかけて、韓国釜山に行ってきた。家族旅行である。 初日午前に、成田空港から、釜山金海国際空港に着く。 まずは、手持ちの日本円をウォンに換えようと思ったら、なんと、どこそこ銀行の窓口があるわけでなく、パスポートをス…

読了、益田肇『人びとのなかの冷戦世界』(岩波書店、2021年)

読んで途中まで行った時、これはやられた、凄い本だなと思った。 人びとのなかの冷戦世界: 想像が現実となるとき 作者:益田 肇 岩波書店 Amazon 本書は、当初、ハーバード大学出版から公刊され、2021年に著者による大幅な加筆改稿・再構成を経て、日本語で出…

2024年2月3日ケミカルブラザーズ@東京ガーデンシアターを見た

とにかく、重低音がバキバキなっていて凄かった。 以前に見たのは、2019年のFUJI ROCK FESTIVALだった。それも電子盆踊り、またかよと揶揄されつつも何だかんだで言って大変に素晴らしいライブであり、パフォーマンスだった。 で、今回は、屋外ではなく、最…

2023年を少し振り返る(ライブ編)

今年も、もう少ししたら、終了である。 今年は、個人的にいろいろ忙しかったし、ミュージシャンでいろいろと惜しい方をなくしたと思う。でも充実してたし、何だかんだ健康で過ごせて素晴らしかったと思う歳になってきた。 フジロック(二日目・三日目)とサ…

読了、長谷川毅『暗闘[新版]スターリン、トルーマンと日本降伏』(みすず書房)2023年

2006年2月にでた旧版を読んでいた。その時も、これは大変に凄い本であり、現代の古典と思っていた。その後の文庫版は実は読んでなかったのだが、新版がでると聞き、日ソ戦争についてあらためて考えてみたいと思っていたので、すぐに買って読んだ。 暗闘 新版…

【転載】シンポジウムのお知らせ:日ソ戦争史研究の到達点と展望

企画・趣旨説明・司会をやるシンポジウム「日ソ戦争史研究の到達点と展望」を12月16日(土)14時30から近現代東北アジア地域史研究会第33回大会でやります。よろしくお願いします。 ===================== 近現代東北アジア地域史研究…

君たちはどう生きるか(感想・やや辛口)

過日、ようやく、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」を見た。 いかに巨匠とは言え、80を越えた監督に、それほど大きく期待するのもいかがなものかなと思いつつも、わざわざこの説教くさいタイトルを前面に押し出して、敢えて期するところがあるのかと少し…

台湾日記(補足)

台湾から無事に東京の家に帰ってきた。 ほぼ15年ぶりぐらいの台湾で、変わってなくて素晴らしいものもあり、変わってて素晴らしいものもあり、大変に良い滞在であった。 何となく書こうと思っていたけど、日記に書かなかったことを、ここでまとめて置こう。 …

台湾日記(8日目)

明日の早朝に日本に帰るので、実質、今日が台湾滞在の最終日である。長いと思っていたが終わるとあっという間という、大変に陳腐な感想をやはり持ってしまう。 中央研究院からバス2本を乗り継いで、2時間ぐらいかかったであろうか、国家発展委員会檔案管理局…

台湾日記(7日目)

今日も中央研究院近代史研究所檔案館にて調査を行う。大体の方向性というか、良いのか悪いのか分からないが、こういう形でこの資料を生かせるのではないかというようなビジョンが見えてきた。 その後、台湾の先生と日本から同時期にやってきた先生と、待ち合…

台湾日記(6日目)

今日も中央研究院にて調査である。本日、朝一に、近代史研究所の郭廷以図書館にまず行く。その蔵書に相変わらず驚かされるが、今回のお目当の本の一部をコピーする。まず、図書館の利用にあたっては特に手続きはなく、荷物をロッカーにさえ預ければ問題なか…

台湾日記(5日目)

本日は、早起きして、台湾に持ち込んできた細々とした作業を行う。 そして、再び洗濯する。宿泊所の地下にはコインランドリーと乾燥機がある。洗濯は30分で、乾燥は1時間半にて終了する。洗濯物が一人のためかホカホカになる。 その後、中央研究院近代史研究…

台湾日記(4日目)

本日は、配偶者様と息子様が日本に帰られるので、早起きして空港まで見送りに行く。日本に来る台風を心配していたが、幸いに本日であれば無事に飛べた模様である。そして、台北駅に再び戻り、国史館まで行く、ちょうど昼食になったので、周辺を散策したとこ…

台湾日記(3日目)

昨日が遅かったせいか本日はさらに遅くに起きる。ホテル内でこれまでたまった洗濯を行いつつ、出発の準備をする。本日のコースは、息子さんがよく見ている以下のYouTubeにインスパイアを受けて観光する。 電車で台湾一周の旅 前編【がっちゃん】 youtu.be 苗…

台湾日記(2日目)

少し遅く起きる。昨日の疲れがたまっていたのか、とは言え、目覚ましもなく、それほど遅くもなかったが。 朝、宿の周辺を少し散歩する。模範街というところが町並みが昔の中国のような感じで、久方ぶりに外国に来た感じを出してくれて大変に良かった。その町…

台湾日記(1日目)

朝、わりといつもと同じような時間に目覚め、仕事のように成田に向かう。 それでも、何となく、およそ4年以上ぶりの海外にそして10年以上近くぶりの台湾訪問で、テンションはあがっている。 成田について出発前にも早い昼食をとる。 飛行に載って台北の桃園…

フジロック2023に行ってきた

今年は珍しく土曜日に仕事があり、2日目夜及び3日目の参加のみであった。 それでも、大変に楽しかったので、ブログに記しておきたい。 今年は、昨年と同様になんと、ほぼ全編、快晴の大変に希有なフジロックをまた体験させてもらった。その代わり大変に暑か…

(備忘)水星の魔女は果たして、ガンダムとして果たして「成功」したのか

日曜日に、機動戦士ガンダム 水星の魔女が、無事に完結した。 g-witch.net 完成度としては、今世紀に入ったガンダムの中では出色の出来と評価することはできるだろう。それはTwitterでの盛り上がりをみれば、容易に分かる。そして、何だかんだ言いながら、そ…

台湾・法務部調査局の中国共産党資料について

台湾の中央研究院近代史研究所の檔案館ウェブサイトが更新された。 館藏檢索系統 中央研究院近代史研究所檔案館 檔案館では、名前等の登録が必要ではあるが、大変に良くできたサイトで、今更ながら中国近現代史をやろうとする人全員が必見のサイトとなってい…

(備忘)中蘇文化関係檔案文献匯編(1949−1960年)を購入した!

過日、Twitterでも呟いたが、東方書店より、『中蘇文化関係檔案文献匯編(1949−1960年)』が届いたとの連絡があり、早速購入してきた。 《中苏文化关系档案文献汇编(1949—1960年)》出版发行 - 中华人民共和国国家档案局 前書きによると7つのロシアの档案館…

ペイヴメントとレッド・ホット・チリ・ペッパーズのライブを見た!

今年初めてのライブということで、先週、立て続けに、ペイヴメントとレッド・ホット・チリ・ペッパーズのライブを見た。どちらも、ベテランバンドらしく貫禄すら漂っている素晴らしいライブを見せてくれて、思ったところなどをつらつらと記しておきたい。 全…

読了、小田中直樹『歴史学のトリセツ』ちくまプリマー新書、2022年

とても読みやすくて分かりやすい史学史であった。それがとにかく素晴らしい。 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき (ちくまプリマー新書) 作者:小田中直樹 筑摩書房 Amazon 本書は、歴史をするということの営みの歴史、史学史の本である。そして、そ…

読了、油井正一『ジャズの歴史物語』

これまでもっぱら昔のロック大好き人間だったのですが、歳をとって成熟したからなのか何なのか、最近はようやくモダンジャズの素晴らしさが分かってきた。マイルス・ディビスは言うまでもなくセロニアス・モンクとかウェイン・ショーター、アート・ブレイキ…

ガンズ・アンド・ローゼズ来日公演 さいたまスーパーアリーナ 11月5日を見た

コロナも何というか一段落がついて、沢山のアーティストが来日公演をするようになり、ライブの日常が戻ってきた感じがある。そして、ついにガンズ・アンド・ローゼズも5年ぶりの来日である。前回も行っている僕ではある。 gunsnrosesjapantour.com 前回は開…

李南央編『李鋭日記』渓流出版社、2008年について

李鋭の日記がスタンフォード大学のフーバー研究所にあることは以前にこのブログで言及したことがあった。 【備忘録】李鋭の日記について https://takeosa75.hatenablog.com/entry/2021/11/24/202316 その話をあちこちの研究会でしたところ、ある方から、李鋭…

読了、E・H・カー『歴史とは何か 新版』岩波書店、2022年

ようやく、少し理解できたような気がすると感じた。 歴史とは何か 新版 作者:E.H.カー 岩波書店 Amazon 歴史とは何か (岩波新書) 作者:E・H・カー 岩波書店 Amazon 思えば、そして多分に漏れず、20幾余年前に、大学の学部で歴史学を専攻した際に最初に読んだ…

読了、柿沼陽平『古代中国の24時間』中公新書、2021年

結構長い間、Kindleの中に積み重ねられていたが、最近、読み始めるととても面白くて割と一気に通読した本である。本書は、主に秦漢時代の上は皇帝から庶民まで、どのような24時間を、そして、どのような生活を過ごしたのかを事細かに描いた良書である。 自分…

サマーソニック2022に行ってきた

今年は初日だけ参加してきた。実はサマソニはレッチリが出た2019年に初参加であり、フジロックと比べて思い入れはそれほどないが、備忘録として、記事を残しておきたい。 総論 どうしてもフジロックと比べてしまうが、やはりサマソニのような都会型フェスは…

フジロック2022に行ってきた

総論 表題のとおりである。いろいろと大変なことがあったが、フジロック2022に無事に行って帰ってきた。 前回が2019年だったので、3年ぶりのフジロックだった。 今回、まず特筆すべきは、3日目の最後に退場する時に雨が降った以外は、ずっと晴れていた希有な…

覚え書き、1945年8月、スターリンが毛沢東に送った電報をめぐって

将来はひょっとすると論文か雑文か何かにもなるかもしれないが、取りあえずの暫定的なメモ。 中国とソ連との関係を調べてみると、驚くような基本的な文書が、2022年の現在に至っても、なお見られないと言うことがある。その代表例の一つが、日本の敗戦後にス…