これは傑作。ヒューゴ&ネビュラ賞ノヴェラ部門およびスタージョン賞最終候補作でもある。
実は、ケン・リュウの他の作品は、僕のKindle内で積ん読になっていたのだが、どこかで同作の評判を聞いて関心を持ち、Kindleで購入。初めてのケン・リュウ作品だったが、ものすごい面白かった。
同作は、731部隊及び歴史認識の問題を扱った作品である。これを聞くともう拒否感を示す人がいるかもしれない。だが、ケン・リュウはそれすらも分かった上で、本作を書いている。拒否感を示したり、これを安易に否定する時点で、すでにケン・リュウの手のひらにいるような、そんな作品だ。
過去を観察できる発明ができたら、歴史にまつわる問題は解決し得るのだろうか、過去は果たして誰のものなのかを鋭く問う作品となっている。広く歴史に関心のある人は読んで、決して後悔しない作品であろう。以下の作品集に収められている。お薦め。他の作品も読もうっと。
同書のレビューとしては、以下のものも面白かった。もし、読み終わったら是非に。