これはKindleで読みました。それのおかげで分かったこともあった。
割と買ったのはかなり前で、ずっと積ん読してあったなぁと思って、何となく読んだらとても面白くて一気に読んでしまった。そしてもう一つ分かったのが、Kindleにポピュラーハイライトではない線が引かれている。これは自分が引いたのか、確かに自分が引きそうなところに引いている。それが最初だけでなくかなり後の部分まであった。ということはすっかり忘れているが再読なのか?それにしては、こんな面白くて自分の関心のあることを忘れていることにショックを受けた。
本書は1960年1月から1964年10月までの約5年間、著者が通っていた在プラハ・ソビエト学校の同級生3人を軸にしたノンフィクションだ。特に僕の印象に残ったのは、社会主義におけるナショナリズムというか、ナショナリズムに関する大変に興味深い、字句がちりばめられている点だ。特にアーニャの運命を見ると、ナショナリズムとは何だろうかと考えさせられた。
そして、最後に登場するユーゴスラビア人のヤミンスカヤは、ユーゴの内戦によって、「ユーゴスラビア人」というナショナリズムを持つことができなくなる。もちろんナショナリズム以外の論点も大変に面白いノンフィクションである。