多余的話

大沢武彦のブログです。

東浩紀『ゲーム的リアリズムの誕生』(講談社・講談社現代新書、2007)

先週の日曜日に読み終わる。扱っている対象が、いわゆるライトノベル美少女ゲームではあっても、文芸評論として、とても優れていると思いました。


本書は、この21世紀に「物語」が、新たにどのような構造を持つようになったのかを論じるものです。その論証の是非は、僕には判断のつかない部分もあるのですが、少なくとも用意周到に考えられたものだと思いました。例えば、本書を読み進めていくと、当然、僕なりの疑問は思いつくのですが、それは次頁や注釈であっさり答えられているということがしばしばで唸らされました。お勧めです。