多余的話

大沢武彦のブログです。

読了、ロビーロバートソン『ロビー・ロバートソン自伝 ザ・バンドの青春』

意外と言っては失礼かもしれないが、結構、読ませるし、面白い自伝だった。

  

 

やっぱ、ミュージシャンの自伝・伝記って割と面白い。有名人が出てきて、その評価が分かるのはこの本の面白いところである。

沢山のミュージシャンが出てくる。ロニー・ホーキンスやボブ・ディランは当然だが、ビートルズを始めとする錚錚たるミュージシャンが出てきて、生き生きと描かれているのは大変興味深い。

でもこの自伝のテーマは、次の一言になるのではないかと勝手に思った。

ザ・バンドが成功のルートへと上り始めた時のこの発言だ。

ボブの成功を間近で見ていたので、音楽ビジネスにつきものの陥穽には、ある程度耐性ができているつもりでいた。だがぼくらはほどなくして、こと名声と成功に関する限り、誰も無傷でいることはできないと思い知らされることになる。

ご存じのとおり、ザ・バンドは大変な成功をおさめるが、やがて解散せざるをえなくなる。そして、内部事情としてはいろいろあるにせよ。表面的にはラスト・ワルツという大団円を行って華々しく解散できた。そういうことができるバンドというのは、ホントに貴重だと思う。まっ、ロビー抜きでの再結成をしているのだが。

 

あと、他のメンバー等を意識しての記述も興味深い。誰も聞いていないのに、曲のクレジットや出版権の話などするのは、他のメンバーが読むことも意識してのことだろう。このあたりをきちんと分かりたくなったらやはり、他の中心メンバーの一人、リヴォン・ヘルムの自伝を読むしかないか。絶版でえらい値段ではあるが、図書館あたりで借りられないものか。

 

ザ・バンド 軌跡

ザ・バンド 軌跡

 

 

それにしても、ザ・バンドは不思議なバンドである。20代の頃は、どこが良いのかホントに全く分からなかった。しかし、月並みな言い方であるが年齢を重ねると、なぜだかよく分からないが、ホントに良くなってくる。最近はラスト・ワルツばかり見ている。これは何だかんだで奇跡なのだなと実感した自伝である。