多余的話

大沢武彦のブログです。

フジロック2024に行ってきた

 

今年は3日間、FUJI ROCK FESTIVAL2024 フジロック2024に行くことができた。

いろいろな方のおかげであり、大変に感謝している。

つらつらと体験したことを書いていく。

7月25日 木曜日 前夜祭

午後、6時過ぎに家をでる。新幹線に乗って、8時過ぎに越後湯沢駅に着き、それほど並ばずに会場行きのバスに乗ることができた。とは言え、料金は往復で2000円にあがっていたが、まぁやむ無しと思う。そう言えば、昔は無料だったり、500円ぐらいだったのが、一挙に上がったのは、それだけバスの運転手を確保したりするのが難しくなっていることの証なのだなと感慨深かった。

会場に着くといつもの風景であるが、やはりここに帰ってこられたという思いが充実して、嬉しくなる。入り口前の食堂エリア、イエロークリフで食事を取り、ビールを飲み、良い気分になって、宿に行くことにした。

木曜日の夜の風景

7月26日 金曜日 初日

初日は晴れていてなおかつ、それほど暑くもないフジロックとしては理想的な天気であった。

7月26日金曜日 初日朝

 

初日は、ヘブンで渋さ知らずズを見ると決めていた。コロナ禍でフジロックが中止となった2020年、過去のフジロックの映像をYOUTUBEでやっていた。その時に、渋さ知らずズの動画に大変に気分がブチ上がりつつも、こういう沢山の人間がステージに出て、踊るようなことが果たしてまた出るのだろうかと感慨深げに思ったことがあった。そして、今回のヘブンのトップバッターが渋さ知らずズが来たと知った時、これは見にいかねばと思った。渋さ知らズは、もうフジロックで3回目ぐらい見ているが、今回も素晴らしかった。リーダーの方が「一緒に歌ってくれ、でも俺らはルール−とラーラー言っておけば良いから」と言ったのがうけた。興奮して踊りまくり、大声を出した素晴らしいライブであった。ちなみに、ライブ終了後、リーダーの方が食堂でビールを飲んでいたので、一緒に写真を撮って貰ったのは大変に良い思い出であった。

7月26日金曜日初日の昼食と渋さ知らずズの写真

続いて、渋さ知らズのグッズを並んでいるところ、家主がサウンドチェックをしていて、これまたえらく格好いい音であったが、少し後ろ髪を引かれる思いで、グリーンステージのFRIKOを見に行く。そうすると、ルート17ロックンロールオーケストラがやっていて、ザ・バースデーの涙がこぼれそうをやっていて、感じ入るところがあった。

7月26日金曜日初日、FRIKOのステージ


FRIKOはフジロックに行くと決めていくつかのバンドを予習する中で、かなり気に入ったバンドであった。緩と急、静と動が揺れ動き、ただずまいも大変に格好いいバンドであった。もう何回かしたら、まさにヘッドライナーとかにもなれるぐらいの素質のあるバンドと思った。

 

その後はややゆっくりする。次に見たのは、日本のプログレバンド、曇ヶ原である。

実は長いことフジロックに行っているが苗場食堂でライブを見たのは初めてではないかと思う。

 

7月26日金曜日初日、苗場食堂と曇ヶ原

これもなかなか良く、来年ぐらいにはフィールド・オブ・ヘブンに出てもおかしくないぐらいの存在感と盛り上がりを見せる。物販のDVDも買ってしまう。

 

初日はキラーズと上原ひろみのどちらか最後まで迷ったが、上原ひろみを見にフィールド・オブ・ヘブンに戻る。

7月26日金曜日初日、上原ひろみ Hiromi’s Sonicwonder

バンドメンバーが全員、本当に超一流の演奏を聴かせてくれた。特にドラムがすごい。決して力任せには叩かず、そっと他のメンバーを支えるかのような、ずしりとした安定感のあるドラムであった。上原ひろみも最初っからテンション・マックスでこれまた、何なんだこのフレーズはのような驚きを何度も感じた。素晴らしかった。また見たくなった。

この後、レッドに行ったら、電気グルーヴがやっているのは分かったが、少しそこまで体力がなかったので、宿に戻る。

7月27日 土曜日 二日目

 

二日目は、どうしても見たいバンドがそれほどなく、ゆったり過ごそうかと思った。ここでグッズ売り場に並ぶが、運が良かったのか、それほど時間がかからず、クラフトワークとTurnstile のTシャツが買えた。

7月27日土曜日 二日目

まず、最初にスカパラを見る。安定した円熟の演奏で遠くから見るが満足。次いで、これは割とちゃんと見ようと考えたザ・ラスト・ディナーパーティーを見る。若くて、上り調子にあることを示す充実したステージであった。特にヴォーカルのアビゲイルの存在感を感じた。これもひょっとすると何回かしたらヘッドライナーになりそうなバンドだと思った。

7月27日土曜日 二日目 ザ・ラスト・ディナーパーティー

次いで何となくではあるが、その時の気分でスガシカオくるりをみる。スガシカオは、これからみんなを楽しませるよと言い、くるりは音楽って言うものはと言い、方向性は対極にあるかもしれないが、どちらも素晴らしいライブだった。
続いて、グリーンステージに降りたら、ベス・ギボンスがやっていた。実は全く予習もしてなくて初めて聞いたのであるが、大変に存在感があり、素晴らしいライブであった。これは本当にめっけもので、こういう出会いがあるのがフェスの良いところであるとも思う。そして、次は大変に楽しみにしていたクラフトワークである。

7月27日土曜日 二日目 クラフトワーク

クラフトワークは、おっさんが四人出てくるだけかと思いきや、「ロボットスーツ」を着たおっさんが四人出てきて凄いビジュアルと音楽の奔流に飲まれ大変に興奮した。重低音が凄かったし、ビジュアルも元はクラシカルなものが現代的になりつつも元の良さを失っていないかのような、本当に興味深いものだった。本当に素晴らしいライブであった。大変満足し、宿に帰る。

7月28日 日曜日 三日目

この日は沢山バンド見る。忙しい日であった。列挙しよう

NO PARTY FOR CAO DONG→US→WEEKEND LOVERS →(ちょっとだけ)HEY SMITH→JESUS AND MARY CHAIN→toe.→ KIM GORDON →Turnstile

 

7月28日日曜日 三日目 

この日は見所も多かった。USはライブも良かった。生きの良い、初期ストーンズサウンドビートルズのようなお辞儀であった。ガレージロック好きにはたまらないだろう。時間が前後するがバンドの呼び込みにフジロックの創設者の日高正博さんが来てて驚く。本当にこのバンドが気に入っているのだなぁと感じ入るところ大であった。その後の写真は撮れなかったが、toe.のライブは気合いの入った素晴らしいものであった。

続いてキム・ゴードンであるが、こちらも存在感と固くて重いソリッドな音がすごい。静かに始まり後半はテンションが高くなるが、もう大変に引き込まれた良いライブであった。

そして、最後は実は今回のフジロックで一番楽しみにしていたTurnstileである。これが本当に素晴らしかった。絶滅寸前とも言えそうなハードコアパンクというジャンルでこれができるのは本当にすごい。最後は、観客をステージに上げてわちゃわちゃしつつも、これはこれで大変に良かった。

今回のフジロックのベストとも言える演奏であった(クラフトワーク上原ひろみかもと迷うが、、、)

雑感

  • 天気は、全般的に晴れと言ってもそれほど暑くなく、雨が三日目に少し降るだけの理想的なものであった。
  • 土曜日が人が多い印象があった。事実、くるりの時は入場制限があった。チケットの値上げのためか、去年よりも人が少なく快適ではあった。
  • 去年ほど食事が並ばなくて快適であった。現金が復活したのと電波状況が改善されたからかとも思った。
  • トイレが綺麗になった。
  • FRIKOとザ・ラスト・ディナーパーティーは、次世代を感じた。
  • 若い人はアジア系の外国人が多い印象をもった。特に中国語がよく聞こえた。
  • インバウンドやチケット高に支えられてはいるのだろうけど、フジロックは続けて欲しいなと思いました。

以上。ありがとうございました。

 

 

FUJI ROCK FESTIVAL2024まであと二週間!My Time Table

今年のフジロックまであと2週間になりました。

何となくつらつらと、今年に見たいものをまとめてみました

 

まず、7月26日(金)。この日は見たいアーティストが一杯だ。

冒頭は渋さ知らズがマストだ。コロナになってから、果たしてフジロックでもう一回渋さ知らずズが見られるだろうかと思っていた僕にとって念願のバンドだ。続いて、家主とFRIKOのところも悩ましい。どちらも何とか見たいがどうするかと悩んでいる。曇ヶ原も見たいな。夜は、上原ひろみも見たかったが、ここはキラーズにして、体力があれば、電気グルーヴも見るという流れにしよう。忙しい日になりそうだ。

 

ついで、7月27日(土)である。

実はこの日はクラフトワークとThe Last Dinner Partyが必見かな。久しぶりに、くるりもみたいね。この日は割とゆるりと過ごそうかな。

 

最後は、7月28日(日)である。この日は朝から忙しい。

UsとWeekend Loversは見るが、後者は果たしてレッドマーキーでキャパが大丈夫かと思う。そして、夕方の流れはいいね。ジザメリtoe、キム・ゴードン、Turnstile、全部みたい。夕飯をどうするか悩ましい。

 

準備もそろそろ始めないといけないな。こうして、タイムテーブルを見て、ごちゃごちゃ考える時間もフジロックの楽しいところの一つである。本当に楽しみである。

 

2023年を少し振り返る(ライブ編)

今年も、もう少ししたら、終了である。

今年は、個人的にいろいろ忙しかったし、ミュージシャンでいろいろと惜しい方をなくしたと思う。でも充実してたし、何だかんだ健康で過ごせて素晴らしかったと思う歳になってきた。

フジロック(二日目・三日目)とサマソニ(二日目)にも行き、ライブをけっこう見た年になると思う。記録をもとに、行ったライブを少し振り返って見た。

  1. ペイヴメント、2023年2月15日@TOKYO DOME CITY HALL
  2. レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、2023年2月19日@TOKYO DOME
  3. ビョーク、2023年3月28日@東京ガーデンシアター
  4. ザ・ブルーハーブ、2023年4月22日@渋谷クラブクアトロ
  5. イースタンユース、同上
  6. 原始心母、2023年6月18日@日比谷公会堂
  7. スロウダイブ、2023年7月29日@FUJI ROCK FESTIVAL2023
  8. フー・ファイターズ、同上
  9. 民謡クルセイダーズ、2023年7月30日@FUJI ROCK FESTIVAL2023
  10. OKI DUB AINU BAND、同上
  11. BLACK MIDI、同上
  12. カネコアヤノ、同上
  13. Weezer、同上
  14. W.O.D、2023年8月20日SUMMER SONIC 2023
  15. オリジナル・ラブ、同上
  16. CIMAFANK、同上
  17. 高中正義、同上
  18. ケンドリックラマー、同上
  19. テデスキトラックスバンド、2023年10月21日@TOKYO DOME CITY HAL
  20. YOASOBI、2023年11月6日@TOKYO DOME
  21. コールドプレイ、同上
  22. DAWES、2023年11月15日@リキッドルーム
  23. スウェード、2023年11月19日@ZEPP HANEDA
  24. マニック・ストリート・プリーチャーズ、同上
  25. サニーデイサービス、2023年12月13日、@リキッドルーム

こうやって記録にまとめるとかなり行っているなぁと思う。

家族と職場の皆様、一緒に行ってくれた友人に感謝である。

ありがとうございます。良いお年を!

フジロック2023に行ってきた

今年は珍しく土曜日に仕事があり、2日目夜及び3日目の参加のみであった。

それでも、大変に楽しかったので、ブログに記しておきたい。

今年は、昨年と同様になんと、ほぼ全編、快晴の大変に希有なフジロックをまた体験させてもらった。その代わり大変に暑かったのではあるが、やむを得ない。本当は雨が少しぐらいに降った方が、涼しくもなり過ごしやすくもなるのだが、この辺の案配は難しい。

 

今年は体感的には去年よりも人は多く、だいぶ以前のフジロックと体感的に戻ってきたような感じがした。観客動員数がでているが、土曜日は3万8千人もいたのですね。そりゃ多いわみたいな感想です。逆に日曜日はもっといたと思うのですが、3万人いかなかったのかと驚きでした。

www.fujirockfestival.com

 

で、非常に個人的な事情であるが、去年に楽天モバイルが会場で繋がらず、今度はキャリアをソフトバンクに替えたところ大変に会場内で繋がり、SNS等快適でした。ありがとう!ソフトバンク

 

土曜日の夕方に越後湯沢駅についたところ、やはり人は少なく、大変にスムーズにバスに乗れる。シャトルバスの中に入ると座席はなぜかビニールで包まれており、誰かテンションが上がって酒でもこぼしたのかと思われた。それはさておき、フジロックの一番楽しい時間というのはバスに乗って、まだかなと待ちつつ、ハイウェイを曲がると会場が見えて、降り立った瞬間と思っている僕である。その瞬間を今年も感じることができて大変に嬉しかった。

あと、ちょうど、ELLEGARDENがライブをやっている時についたためか、アーティストグッズのコーナーがガラガラであり、あっという間にその際にフーファイターズのTシャツを買う。

二日目はスロウダイブ→フーファイターズを見る。スロウダイブは初めて見たが、何となくスーパーカーが今もやっていたらこんな感じなのか、或いは逆なのかと思いつつ、気持ち良いサウンドだった。しかし、今ひとつ仕事世界からフジロックへ身体がついて行っていないような感じもしたのである。

そして、人並みをかき分け、ついにフーファイターズである。前回はデイブ・グロールが足を骨折しており、何というか玉座とでも言うしかないものに座ってギターを弾いて歌うという偶然によるギミックがあった。しかし、今回は、バンドと大変にシンプルな画面と照明のみのステージングだった。

 

いつもと同じく、デイブ・グロールはギターをかき鳴らしてシャウトして歌う、非常にシンプルなロックンロールである。だがそれ以外に何が必要なのか、そんな思考停止とも言える快感に震えつつ聞いた。デイブ・グロールは、何度もなぜか水をぶっかぶり、ギターをかき鳴らして、シャウトする。その後、「27年前のファッキンフジロックに来た奴ー」(大意)とのMC、そうか、これは第一回フジロックのオマージュなのか(違ったらすいません)、第一回のフジロックへ行き、フー・ファイターズを見たことがある自分としてとても嬉しくて、「うお”お”お”お”お”お”」とシャウトする(隣のひとすいません)。

 

あと、前のドラマーのテイラー・ホーキンスも凄いドラムだったが、今回入った新しいドラマーも本当に凄いドラムだった。そして、何度も何度もデイブ・グロールは「For Fuji !!」とシャウトMCをしてくれて、大変に素晴らしい演奏と歌であった。大満足にて、宿に戻った。

3日目

民謡クルセイダーズOKI DUB AINU BAND→BLACK MIDI→カネコアヤノ→Weezer

体力がある三日目にしては、早起きして会場入りする、この日はたまたまですが、リハ中に音を鳴らすアーティストが多かったなぁ。早めに来てちょっと嬉しかったです。

 

フジロック2023 3日目

まず、民謡クルセイダーズだったが、これはお祭り感に溢れてハッピーなサウンドで素晴らしかった。楽しく踊った。次にOKI DUB AINU BAND、たぶん、同じく、民族音楽の現代的再解釈という佇まい。最後のサハリンロックからの展開は大変に上がる素晴らしいものであった。少し休憩と夜に備えてご飯を食べる。

ついで、BLACK MIDIを見る。前から一度、見てみたかったバンドであるが、ものすごい演奏力とキング・クリムゾンをそこはかとなく感じさせてくれる不思議なポリリズム感というか独自の音楽性が素晴らしかった。あと、このバンドのドラマーも凄かった。全体的にも、何というか、80年代キング・クリムゾンを現代的かつ凶暴にした感じで凄い良かった。

そして、ここから、ホワイトステージは人が多くなり、全てがスタンディングとなった。ついでカネコアヤノさんとなる。こちらも声が良いですね。切実な感じが大変に今っぽいというか素晴らしい。ちょっと「ロック」的なフォーマット過ぎるとも感じたが、非常に気合いの入った演奏だった。

カネコアヤノさんが終わると、中から人が出てきて、たぶんLIZZOを見に行くんだろうなと思いつつ、僕は今年はWeezerで締めると決めていたので、前の方に行く。ライブが始まる前のSEがヴァン・へイレインのパナマだったり、キッスのI Was Made For Lovin' Youだったので、それだけでやたらとみんな盛り上げる。そして、Weezerが始まると、やはり「My Name Is Jonas」でいきない反則的に盛り上がる。その後、「これからWeezerの歴史を振り返るドライブに行きます。みんなしっかりシートベルトを締めてください(日本語)」とMCをして、長いキャリア全般にわたって、いろいろな曲をやってくれた。そして、本編の最後は最新アルバムの最後の曲「Thank You and Good Night」で鮮やかに締める。ちなみに本人達の後ろに映るアニメも単純なんだけど、曲に凄いマッチして非常に良かった。

フジロック3日目 Weezer

アンコールもみんな大合唱で、最後は「Buddy Holly」でものすごい盛り上げる。前に見た際も非常に良かったが、今回はさらに自分たちのキャリア全般を振り返るという意味で大変に気合いの入った素晴らしいライブであった。

 

宿に戻ると、日程はないが恒例の「また来年!」があった。だいぶコロナ前というより、そんなこともあったなという感じに戻ったフジロックであった。今年は飲食店がちょっと並びすぎでないかと言うぐらい時間がかかったが、やはり演奏者はどれも素晴らしく大変に楽しい1日半であった。また、来年もよろしくお願いします。

 

ペイヴメントとレッド・ホット・チリ・ペッパーズのライブを見た!

今年初めてのライブということで、先週、立て続けに、ペイヴメントレッド・ホット・チリ・ペッパーズのライブを見た。どちらも、ベテランバンドらしく貫禄すら漂っている素晴らしいライブを見せてくれて、思ったところなどをつらつらと記しておきたい。

 

全く関係のなさそうなこの二つのバンド、僕にとっては、あの第一回目のフジロックでいずれも繋がっているのであった。

www.fujirockfestival.com

 

第一回目のフジロック、これについて語り出すととにかく長いのであるが、それはともかくとして、何しろ初めてレッド・ホット・チリ・ペッパーズのライブをみたのが、この時であった。しかし、その時のライブは、もう台風が凄すぎて、何が何だかあまり覚えていないというのが率直なところである。事実として、確か4曲だけやって、楽器壊して終わりという、何とも凄まじいものであった。あの時は、ヴォーカルのアンソニーは骨折してて、ギターは今となっては貴重なデイブ・ナヴァロ期であったが、演奏が良かったのか悪かったのかさえ全く覚えていないのであった。

 

そして、その時、遭難しかけて、とある場所に避難して、隣の人と音楽の話をしていたところ、ペイヴメントという耳慣れないバンドをとにかくお薦めされたのが、始まりであった。

 

その後、ペイヴメントはすぐにファンになり、ひょっとするとレッチリよりも好きなバンドになっていった。ペイヴメントのライブに行ったのは、2010年新木場のいまはなきSTUDIO COASTであった。1990年代、ローファイという潮流の筆頭にあったバンドであるが長い休息期間の後の再結成ということもあって、率直に言うと大丈夫なのか、いい加減なライブをみせられるんじゃないかと言う不安は無くはなかった。

 

しかし、予想に全く反してペイヴメントのライブは、そんな不安を吹き飛ばすほどの完成度の高い素晴らしいライブで、逆に完成度が高すぎて違和感を持つほど素晴らしかったという奇妙な体験でもあった。

 

レッド・ホット・チリ・ペッパーズは、フジロックの後は何となく興味が薄れていたが、2016年のフジロックを見ていた。この時、確か機材トラブルかなんかあったと思うが、とにかくギターの音も小さいし、アンソニーは何だかきれているし、ある程度満足はしたが何だかちぐはぐな印象を持ったのも事実であった。その後、2019年のサマソニレッド・ホット・チリ・ペッパーズを見て、このバンドは凄いなぁとやっと気づくのであった。

 

そして、先週のペイヴメントのライブである。この時の第一印象は、みんなおっさんになったなぁと思いつつ、やっぱり完成度の高いアンサンブルが本当に素晴らしかった。

 

 

みんな一斉に、じゃーん、とならすありがちなフレーズでも、そこら辺のバンドと全然、違うのである。その完成度を土台にして各メンバーも、いきいきと弾けるようなパフォーマンスが本当に素晴らしかった。ちなみに写真の右端は、一緒に行った友人がもらったセットリスト。大変に羨ましい。非常に良かった。そして、昔の友人の活躍を見るようなそんな爽やかな感じさえもあった。

 

そして、日曜日には、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、東京ドーム公演であった。自分にとって、ギタリストがジョン・フルシアンテになっての初めてのライブであった。前回のサマソニが良く、しかも最近の二枚のアルバムもなかなか充実しており、期待のハードルが上がってのライブであった。

ライブが始まると、冒頭のCan't Stop からしてもう凄まじいベース・ギター・ドラム・ボーカルであった。その後、いっぺんにアンコールのUnder The BridgeとGive it awayまでもってくるような、そんなライブであった。

とにかく、ベース・ギター・ドラム・ボーカルの全てが、これが世界最高のプレイヤーであるということを、まざまざと見せつけるというか聞きつけるとでも言いたくなるようなライブであった。そして、これが世界最高のバンドでもあることを示すライブでもあった。長々書いたが、全部で四回見たレッド・ホット・チリ・ペッパーズの中でも、最高のライブであった。

 

 

 

サマーソニック2022に行ってきた

今年は初日だけ参加してきた。実はサマソニレッチリが出た2019年に初参加であり、フジロックと比べて思い入れはそれほどないが、備忘録として、記事を残しておきたい。

総論

どうしてもフジロックと比べてしまうが、やはりサマソニのような都会型フェスは、当日、朝自宅から出発して、あまりよく分からずに東京駅から特急に乗ったらゆったり座って30分ぐらいで会場最寄り駅に着くのはやはり素晴らしいと思ったが、逆に言うとこの手軽さは非日常感が少し薄れると言う面もあるのかなと思う。駅に降りたら、会場にあっという間に着いた。とは言え、チケットをリストバンドに替えて、入場するにはちょっと時間がかかった。入場口のすぐそばに、オフィシャルグッズ売り場があって非常に沢山の人が並んでいたが、あとでライブが始まると人が少なくなり、割とあっさりと買えることが分かった。

まず、会場は幕張メッセである。屋内でクーラーがかかっていて、快適であるが、複数ステージが繋がっているので、音響的には少しどうかなと思いつつ、各ステージのステージチェンジの時間が大体、30分ぐらいなので、割とひっきりなしに音楽がかかっており、フジロックと比べて忙しい感じもした(どちらもメリットとデメリットがあるが)。

 

 

でも、実は今年初めて行ったステージにビーチステージがあるが、その名の通りビーチがステージとなっており、おしゃれでちょっとした非日常感を感じられたのはよかった。最後には花火も上がって美しかった。ビーチステージのKIRINJIの人によると、雨が降ったら花火は上がらなかったということで、当時、小雨が降っていたので、ラッキーだったなと思った。

 

 

それでは、見たアーティストを徒然なるままに書いていく。

 

若くてみずみずしい演奏だった。たぶん少し間違えたっぽい演奏があっても、それを補ってあまりある勢いと可愛さがあった。最後にはまさかのTHE BLUE HEARTSリンダリンダのコピーが!これは反則だろうと思いつつ、やはりものすごい盛り上がる。気づいたら周りに沢山の観客が同じく盛り上がっていた。

 

 

昼食を取り休憩

 

  • Rina Sawayama 

確か、今年のコーチェラのYOUTUBE配信で見て、かなり良いなと思った。期待して見に行ったつもりであったが、実際には想定よりも遅れて2曲目ぐらいから聞いた。とってもポップで開かれたステージ、まさにエンターテイメントであった。しかし、最後のメッセージにもあるように、その根源にはとてもシリアスなものがあると感じた。単独見ても良いかななどと思った。

 

  • フィッシュボーンとクロマニョンズ

フィッシュボーンは実は、今回のサマソニで一番見たかったアクトであり、今回初めて思いっきり前に出る。機材トラブルか何かあった見たくメンバーが身振り手振りで何度も指示をしていた。しかし、だが、しかーし、百戦錬磨のメンバーであり、とても素晴らしいロックンロール、踊れるロックで良かった。これだけ良かったのに、お客さんがもっといても良いかなと思った。

 

そして、続いて、クロマニョンズである。こちらは違うバンドになるが、前にヒロトマーシーを見たのは1999年のライジングサンロックフェスティバルのTHE HIGH-LOWSであった。その時から、もう、エラい格好いいとしか言いようのないヒロトマーシーであったが、今回もその時と相変わらず、真空パックしたかのような素晴らしいパフォーマンスであった。MCでヒロトが「みんな、長生きして毎年、来よーぜ」と言ったのは、コロナ禍と言うこともあってかジーンとくるものがあった。そして、「みんな、楽しいよー」とヒロトが言ったのは観客の全ての思いでもあったろう。とにかく、良かった。

 

初めてビーチステージに行く。足下が砂浜というのは新鮮で良かった。歩いている途中でスチャダラパーが聞こえてきて、これがオシャレで大変良かった。その後、夕食を食べつつ、タヒチ80を見る。雨もあってかだいぶお客さんは少なかったが、演奏自体はオシャレでポップで素晴らしい内容だったと思う。自分はそんなに真剣に見てなかったけど、曲は素晴らしいなと感じた。

続いて、KIRINJIであった。始まった時には花火があり、気分が上がるが、やはりどうも二人時代のKIRINJIの方が好きな人間としては、凄い良い演奏と歌であったが思いの外、乗れなかったのがやや残念だった。とは言え、全体的には、大変に満足した。大変、良い一日であった。私の周りの皆様、本当にありがとうございます。ヒロトではないが、来年もまた行きたいな。

 

 

 

フジロック2022に行ってきた

総論

表題のとおりである。いろいろと大変なことがあったが、フジロック2022に無事に行って帰ってきた。

 

前回が2019年だったので、3年ぶりのフジロックだった。

今回、まず特筆すべきは、3日目の最後に退場する時に雨が降った以外は、ずっと晴れていた希有なフジロックだった。確か、ストーン・ローゼズレディオヘッドが出た回以来だったなと思い、調べて見ると、2012年以来の奇跡の回であった。やっぱり晴れているとかなり快適だった。

https://www.fujirockfestival.com/history/2012

来る前は、今年のフジロックは、そんなに人が入ってないんじゃないかと危惧したが、実際に入ってみると、コロナ禍前よりはさすがに少ないが、まずまずの人が入っており、かなり「いつもどおりのフジロック」だったと思う。

 

いつも、3日間に多くのアーティストからたくさんの刺激を受けるのだけど、少しライブのブランクがあったせいか、今年は特にその刺激が強く、あぁ、音楽って本当に素晴らしいなと率直に感じた。

 

で、もう一つ大変に個人的な事情であるが、自分は携帯キャリアでは楽天を使っている。で、3年前はどこでも、いささか繋がりにくい状態であったが、今年行ってみると大変に驚いたのだが、グリーンステージは以前よりもホントに繋がるなぁと思っていたら、ホワイト以降上になると、例外の場所(ホワイトステージとヘブンステージの間)を除いて、全く繋がらなくなるという状態だった。うーむ。入り口にドコモショップがあったら、携帯のキャリア変更をお願いしていたかもしれないと思うぐらいであった。

 

 

 

そんなこんなであったが、以下、日程別に記しておく。

 

前夜祭

 

3年ぶりのフジロックに来ると、以前よりも手前側に、入場ゲートができていた。入場ゲートを入るとグッズ売り場や屋台がひしめき合っていた。僕が行った時はちょうど、花火が上がって美しかった。入ったところには映画や動画を流すための大きなスクリーンがあって、ウクライナ映画の「ひまわり」の音声が大音量で鳴り響き、ご飯を食べる机もあり、新しいフジロックという感じがした。少し食べて飲んで、宿に行った。

 

1日目

THE HU→OAU→オリジナルラブクラムボン→ハイエイタス・カイヨーテ→ボノボ

 

トップバッターのTHE HUはモンゴルのいまや世界的なロックバンドである。アメリカやヨーロッパのフェス等でもまれているのか、演奏も非常にタイトで、観客を盛り上げるのが大変にうまかった。けっこう良かった。

 

続いて、昼食を食べてOAUを見ていたら、うつらうつらと眠くなり、気づいたらオリジナルラブがちょうど始まった時だった。グリーンステージの後ろでゆったりしながら見ていたのが、ボーカルの田島貴男の気合いが入りまくって、大変にエネルギッシュなステージであった。オリジナルラブは、僕よりも少し上の世代になると思うが、何故だが俺も負けてられない頑張ろうと思わされた。

 

ハイエイタス・カイヨーテはミュージシャンズミュージシャンというか、恐らく音楽のレベルがものすごい高そうな感じがして、これまた素晴らしかった。ボーカルの人の頭が緑色でちょっとエルフのような感じがしていて、チャーミングであった。

 

で、本日初めて、ホワイトステージに上がったら、携帯が全くつながらなくなり、ちょっと焦る。ジョナスブルーの最後をチラ見して、後ろからボノボを見る。これも大変に素晴らしい、何とも言えない音楽であるが、後半は疲れがたまっていたのか不覚にも寝てしまい。気づいたら終わっているという、自分的には大変に衝撃を感じたが、取りあえず宿に帰って休むことにする。

 

2日目

BLOODYWOOD→ケロポンズ(ちょっとだけ)→T字路S→toconoma→KYOTO JAZZ SEXTET feat.森山威男→ダイナソーjr→ジャック・ホワイト

 

トップバッターはこちらはインドの現代メタルバンドとも言うべきか、BLOODYWOOD。こちらは、やや一本調子なところはあるが、大変に高性能のメタルサウンドであり、時々、感じるインド的な旋律がたまらなかった。こういうバンドを見られるのが、フジロックの良いところだよなぁと思った。

 

ジプシーアヴァロンの方まで上るとケロポンズがやっていて、遠巻きから眺めていたが、子ども達が沢山で盛り上がっていて、大変にほっこりした。昼食を取りヘブン三連ちゃん。T字路Sはライブは初めてだったが、大変にソウルフルな歌声でもうしびれた。toconomaは現代的なインストバンドで大変に気持ち良かったのだが、途中で気持ち良すぎて寝てしまう。気を取り直して、KYOTO JAZZ SEXTET feat.森山威男であったが、これが大変に素晴らしかった。実は全く音源とかを予習せずに聞いたのだが、大変に格好良くてしびれるジャズであった。また見たいと思った。

続いて、実は今回のフジロックで一番見たかったと言っても良い、ダイナソーjrである。最初の音が鳴った感じがもはや違う。独特のギターとメロディ、で、聞きたいと思った曲はほとんどやってくれた。10年以上前にもレッドマーキーダイナソーjrは見ているけど、その時と同じくやはり何も変わってないように見えるのが、大変に素晴らしかった。いろいろ大変だったんだろうけど、そんな感じをおくびにも出さないような、いつもどおりの感じが非常に良かった。

 

そしてやや疲れて、グリーンステージにもどり、ジャック・ホワイトである。こちらも、オリジナルラブ並に、あるいはそれ以上に非常に気合いの入ったステージであり、遠くで見てても、ジャック・ホワイトの気合いをビンビンに感じた。素晴らしいステージだったと思う。

3日目

JAPANESE BREAKFAST→アルトゥン・ギュン→スーパーオーガニズムモグワイ→ホールジー

さすがに少し疲れがでてきたので、ちょっと遅くに会場入りする。

本日のトップバッターはJAPANESE BREAKFASTである。昔はこういうバンドが多かったような気がするが、一周回って今、逆に良い感じになっているような気がする。最初、盛り上がって聞いてたが、後半は少しゆったりして遠くから聞いていたところ、突然、カバーをやると言って、へーと悠然にかまえていたが、ジャカジャーンと既聴感溢れるイントロを聴いた瞬間、この曲僕は知っていると思った。始まると、ああ、「夢中人」だ!!!!!!、バックスクリーンに「恋する惑星」が大写しになり、たぶん僕ぐらいの年齢の人は大歓喜のカバーであった。勝手な想像であるが、たぶんあまり深い考えとかなく、この曲良いじゃんやろうぜ的な感じがとても良かった。

 

ホワイトの鈴木雅之を聞きながらヘブンステージに移動する。おそらくフジロックでなければなかなか見ないだろう、アルトゥン・ギュンを見た。これは予習してきた音源よりもだいぶソリッドでサイケなサウンドでかっこ良かった。ここで休憩を取る。こっからは三連ちゃんだ。

 

まず、スーパーオーガニズムを見る。これがのっけから超絶ポップで大変に素晴らしかった。あと、やや、ふてぶてしくさえも見えるボーカルのオロノさんの堂々としたただずまいに、若さって良いよな、今回は結局いつもこれなのですが、俺も負けずに頑張ろうと思いました。いや、ホントに素晴らしいパフォーマンスだった。

 

続いて、初のレッドマーキーに行き、モグワイを見る。最初はちょっとかったるいかなーと思ったのもつかのま、轟音がなりひびき、その間隙を縫って、バリバリと格好いいギターレーズが繰り出される。後半になるとさらに轟音ギターマシマシという感じで素晴らしかった。あっという間の一時間でもっとやって欲しかったと思っていたら、後ろの人が「3時間アンコールやってくれー」と叫んでいたのは気持ちが分かるが苦笑してしまった。最後に「シーユースーン」と言っていたので、また来日してライブをやってくれると期待していたい

 

最後のホールジーは体調的にきついかなと想定したたらやっぱりきつく、最初はほとんど聞けなくて休むことに専念する。後半は、少し前の方に行き聞く。ものすごい歌唱力とアメリカで現在進行形で売れてるエンタテインメント感満載であった。率直に言うと最初は乗れなかったが、終わりに近づくにつれどんどん盛り上がり、観客の反応もだいぶ最後の方は違っていたと思う。ケイトブッシュのカバー辺りからかなり良かったと思う。最終的には非常に良いものを見たなと感じた。

 

最後に帰ると、日程はないが恒例の「また来年!」があった。コロナと円安でブッキングに苦労しているかと思うが、また是非とも来たいと思う。今回も誰ともなく「お疲れ様でした」と心でつぶやいた。