多余的話

大沢武彦のブログです。

ユン・チアン,J・ハリデイ『マオ―誰も知らなかった毛沢東 上』(その4)

上巻と下巻の最初の部分は、自分の専門に近いこともあってか、わりと注釈まできちんと読んでいたのだが、大躍進ぐらいから、多少飽きたこともあってかなりすっ飛ばし気味に読んでしまった。

これから何回かのエントリーに分けて、気になったことや違和感について、わりと構成を考えずに書いていこうと思う。思ったことをすぐに書けるのがブログの良いところなので、その辺のことも考えてとにかく書けることは書いてみようという姿勢で行く。

  • 同書の目的

 この本の最大の目的は、いわゆる毛沢東神話の徹底的な破壊にある。そして、この本のメリットとデメリットは、その徹底性によってもたらされていると思われる。すなわち、メリットは神話破壊のための新事実発掘であり、デメリットはあまりにも毛沢東神話の破壊に固執したため、マクロな状況を見失った多くの無理な解釈が見られる点であると言えよう。

(5に続く)