多余的話

大沢武彦のブログです。

チームアメリカ★ワールドポリス

http://www.teamamerica.jp/

見てきました(2週間も前に)。
良識的なもの全てをあざ笑うのがパンクだ、その意味で左翼的になったり反核運動的になったりするパンクは信用できないと言ったのは、スターリン遠藤ミチロウだったろうか。当時、大学生だった僕は、ちょっといかれましたね。

30を超え、パンクからほど遠い煮え切らないサヨクでしかない僕は、この映画を見て上述の言葉を思い出した。

この映画は、イラク戦争に反対した所謂「良識的」な俳優がおもいっきり悪趣味にイジリ倒されるところにそのキモがある。しかし、そうは言いながら、主人公であるチームアメリカ自身も、アメリカ中心主義のパロディとしての役割を担わされる。そこには、監督であるトレイ・パーカーとマット・ストーンの「世界の警察」としてのアメリカと「良識的かつ自由で民主な」アメリカの両方に対する、直感的かつストレートな嫌悪感があると思う。

だとすれば、当然、この二つを否定してじゃあどうするのか、という困難な問いが待ち受けているのだが、二人はそれを演出の巧みさと悪趣味さを徹底することで乗り切ろうとしたような気がする。それはどうも上手く切り抜けられなかったんじゃないか、というのが僕の正直な感想だ。それにしても、全てをあざ笑うのはなんと難しいことか。