もっと早く読めば良かった。日本中近世史、面白いなと思わされる名著であった。
昔、割と単純に、武装解除されていた日本と、社会が武装されていた中国という対比で語っていたこともあったが、日本の実情はそれほど単純でなかったことを示す本書。
何よりも驚いたのは、刀狩りに関しては、研究が極めて少なく、本や論文も検討も余り行われずに、あの豊臣秀吉の有名な百姓武装解除論が一人歩きしていたという事実である。
本書は、秀吉の刀狩り、明治維新の廃刀令、そして、第二次世界大戦敗戦後の占領軍による武装の解除の実態が描かれている。個人的には秀吉の刀狩りの実態は大変に興味深かった。宗教性、共同体、日本人の心性、それぞれについて考えさせられた。
最後の箇所は現代的な問題にも繋がっており、優れた歴史は現代に繋がることを感じた。
名著であると思います。大変にお薦めです。
刀狩り―武器を封印した民衆 (岩波新書 新赤版 (965))
- 作者: 藤木久志
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/08/19
- メディア: 新書
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