コロナ禍で自分としては結構長い間、リアル空間でライブを見てなかった。
過去の記録を遡ると海外アーティストはフジロック2019以来、国内を含めれば2019年12月のカーネーションのライブ以来の本当に久しぶりのライブであった。
本来であれば、などと言ってもしょうがないのだが、2020年春にはボブ・ディランやブライアン・ウィルソンのライブを楽しみにしていたのに、中止となり、リアルでライブが見ることができず、悶々たる日々(やや誇張)を送っておりました。
そうした中で、キング・クリムゾンが3年ぶりの来日が決定し、開催されると聞いて、大変にその意気を感じつつも、果たして中止にならないか、来日できるのかを本当に気を揉みつつ、来日公演を迎えた。
初日は、東京国際フォーラムである。出発する朝に新聞を見るとデカデカとキング・クリムゾンの来日公演の広告が、「これが最後」と煽り気味で、ひょっとすると席が埋まってないのかなと少し心配になる。このコロナ禍でわざわざ日本に来てくれてライブをしてくれただけでも、個人というか信者として大変に嬉しく、是非ともライブを無事に成功させ、老後の更なる資金を稼いで帰って欲しいものであると思った。
グッズを購入するため、割と早く家を出たのだが、かなりの長蛇の列があったが、やはり早めに出たおかげで、グッズも無事に購入できて、入場することができた。
自分は、昔にこの会場に、エルビス・コステロやCSNを見にきたなぁと思いつつ、キング・クリムゾンの会場としてはかなり広い部類に入るのではと会場を見渡すと、9割5分ぐらい埋まっており、皆さんの期待の高さを感じつつ、もはやライブの日常が戻りつつあるという感じもした。
さて、ライブがはじまり、まず特段の演出もなく、キング・クリムゾンのメンバーがぞろぞろ一人ずつ出てくる。何故かこれだけでもう感動し、ああ、ホントにみんな日本に来ている、ライブが見られるんだとものすごい興奮してしまった。やはり自分がリアルのライブに飢えていた事を実感したのでした。
さて、セットリストであるが、渋谷陽一さんのブログ及びFlower of Romanceのブログですでに挙げられている。
最初のドラムソロのあと、Pictures Of A Cityをやって、良い感じのオープニングだと思いつつ、次はまさかのThe Court Of The Crimson King及びRedともはや自分のためにやっているのではないかと妄想するような流れで本当に吃驚して、演奏も大変に素晴らしかった。
選曲については、おそらくほとんどのキング・クリムゾンファンが聞きたいと思っている曲を全てやってくれて、大変に嬉しかった。前はうるさすぎるように感じたトリプルドラムも何か慣れたのか、それともバンド側が成熟したのかは不明であるが、大変に良いように感じた。
それにしてもロバートフリップは、75歳と聞くのに、何であんな凶暴としか言い様のない凄いフレーズを弾けるのか、まさに絶えまぬディシプリンの成果なのとしか思えなかった。ホントに凄かった。
最後は、恒例の撮影タイムで興奮のあまり、ピンボケした写真を撮りまくる。
ここからはやや記憶があいまいであるが、メンバーが客席の写真を撮り、挨拶して、引き上げる中、リーダーのロバート・フリップは何と一人で残り、最後の最後でみんなに挨拶をした。
まるで今日が最後のコンサートであるかのように。渋谷陽一さんがまるで解散コンサートみたいだったと言ったのも何となく分かるような気がしたのだった。
だが、しかーし、だが、しかーし
「最後のコンサート」なんて何回でもやれば良いんだと思います。前回もそうなんですが、僕はフラクチャーを生で聞いたことがない。おそらく今回、2回目に行く立川でやってくれるのを期待しつつ、大変に胸が熱くなり、満足して家路についたのでした。