多余的話

大沢武彦のブログです。

興梠一郎『中国激流−13億のゆくえ』

ちょっと前に読み終わる。
前著『現代中国―グローバル化のなかで (岩波新書 新赤版 (797))』も同様であったが、本書はクリアカットにわかりやすく図式化するというよりも、個別的事例を積み上げて論述するというスタイルを取っている。このため、現在の中国社会が直面する問題を、具体的かつリアルに知ることができるというメリットがある。すなわち、その問題とは、行政による経済支配であり、それが経済成長の足かせにさえなっていることだ。そして、こうした支配のあり方がきしみ始め、変容している状況も描き出している。

ちょっとエピソードを詰め込みすぎて、読みずらくなっている気もしなくもないが、現代中国を論ずる一つのやり方ではあるかなと思います。