多余的話

大沢武彦のブログです。

読了、劉慈欣『三体Ⅱ 黒暗森林』早川書房、2020年

これも大変に面白かった。

 

ごった煮感というか、何が起こるか分からないゾクゾク感は前作の方が上だと思うが、スケールの大きいSFとしては本作の方が面白いのではないだろうか。宇宙艦隊まで出てきて、銀英伝まで引用されている。

 

人類を遙かに超える大きな脅威に直面した時、人類はこれにいかにして立ち向かうのか、果たしてどうなるのか、そうした文明論的批評の観点からも、このシリーズは大変に面白い。

 

個人的に前作はとても衝撃を受けた傑作であったが、今作はそれに及ばないものの、エンタテインメントSFとしては大変によく出来た作品と思う。

 

相変わらず、副題の黒暗森林や「面壁者」等々の道具仕立てが大変にうまい。張り巡らされた伏線もしっかり回収している。

 

最後は前作があれで、今作がこれかと訳の分からないことを感じた。

前作が楽しめた方ならなら今作も楽しめると思う。オススメ。

 

それにしても前作を読み終わった時に、どうやってこの話に続編をつけるのかと考えていたら、作者はホントに見事に続編を作ったと思う。そして、さらにⅢはどうなるのか、今から楽しみだ。

 

三体Ⅱ 黒暗森林(上)

三体Ⅱ 黒暗森林(上)

 

 

 

三体Ⅱ 黒暗森林(下)

三体Ⅱ 黒暗森林(下)