これも大変に面白かった。
ごった煮感というか、何が起こるか分からないゾクゾク感は前作の方が上だと思うが、スケールの大きいSFとしては本作の方が面白いのではないだろうか。宇宙艦隊まで出てきて、銀英伝まで引用されている。
人類を遙かに超える大きな脅威に直面した時、人類はこれにいかにして立ち向かうのか、果たしてどうなるのか、そうした文明論的批評の観点からも、このシリーズは大変に面白い。
個人的に前作はとても衝撃を受けた傑作であったが、今作はそれに及ばないものの、エンタテインメントSFとしては大変によく出来た作品と思う。
相変わらず、副題の黒暗森林や「面壁者」等々の道具仕立てが大変にうまい。張り巡らされた伏線もしっかり回収している。
最後は前作があれで、今作がこれかと訳の分からないことを感じた。
前作が楽しめた方ならなら今作も楽しめると思う。オススメ。
それにしても前作を読み終わった時に、どうやってこの話に続編をつけるのかと考えていたら、作者はホントに見事に続編を作ったと思う。そして、さらにⅢはどうなるのか、今から楽しみだ。