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長らく積ん読であったが、最近やっと読み終わりました。 幕末から第二次世界大戦終結までの日本とロシアとの外交を主に、伊藤博文、後藤新平、松岡洋右という三人の政治家を通して描く、新書であるが大作と言っても良いと思います。 まず、こうした通史を書…
本書を読んだ時、この分野のマイルストーンとなるべき研究書であり、今後、日中戦争期を研究するであろう多くの人々にとって必読の書となるであろうと思った。 本書は、日中戦争後に国民政府や中国共産党から「漢奸」と呼ばれて批判された人々、すなわち日中…
日本を含めた世界各国と軋轢を起こす一党独裁の国、中国。 その背後には、何があるのか、それを中華思想や世界制覇の野心があると安易に論ずるのではなく、できるかぎり内在的にその論理を解明しようとする。こうした姿勢は大変に共感を覚えるし、はっとする…
どうも最近、いやひょっとするともっと前からなのかもしれないが、中国がさらにおかしなことになっているようだ。前にも書いたように、ここ最近中国に行っていないような身でありながらでさえ、少し分かってきた。 現在、率直に言うと前のように、気軽に中国…
著者の及川琢英さんから頂きました。ありがとうございます! 及川さんの論文については、実はかなり読んでいる自負はありますが、改めて勉強し直す良い機会を与えられたと思います。 自分はもらってばかりで、人にあげる論文等をはやく書かねばと思っている…
著者の関智英さんからご恵投頂きました。ありがとうございます! 日中戦争期における「漢奸」と呼ばれた対日協力者達の未完の政治構想に焦点を合わせた関さんのこれまでの研究の集大成、大作になるかと思います。 これは今後の研究の必読文献になるかと思い…
著者の方から頂きました。ありがとうございます。 第二版ができるくらいに、現代中国の変化は早いということになるのかと思います。 併せて、今の香港情勢を見ると、それを歴史的に考える意味でも、両岸三地というアプローチは大変に興味深いものかと思いま…
チャンイーモウ監督が映画化した『活きる』は、大昔、授業でも使ったことがあり、結構、見ていたが、その原作が、文庫本になり、Kindle化されたので読んでみた。 これは、いわゆる主に国共内戦、土地改革、人民公社、大躍進、そして文化大革命という1940年代…
友人の中国研究者(歴史の人が多いですが)に会うと、たいてい聞いている質問がある。「最近、中国行っている?」「中国、どうだった?」と言うものだ。 人よりも中国については詳しいつもりであるが、しかし、香港を除けば、ここ数年中国大陸に行っていない…
いやー、この本もかなり遅まきながら読んだが、かなり面白かった。 黄禍 作者: 王力雄著,横澤泰夫 出版社/メーカー: 集広舎 発売日: 2015/11/09 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 王力雄の『黄禍』だ。いささか時代がかっており、通俗的と言えばそ…
さてさて、また覚え書きは続く。たぶん最後なので少しおまけのような覚え書き。 表題の資料集について、最近、読んだ辻康吾さんの中国共産党史に関係するエッセイが興味深かった。 中華万華鏡 (岩波現代文庫) 作者: 辻康吾 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日…
さて、覚え書きは続く。 まず、表題の資料について、中村元哉さんが、『現代中国の起源を探る 史料ハンドブック』で以下のように記している。 この『中共重要歴史文献資料彙編』は身元不明の出版社から発行されているだけに、収録されている史料の信憑性には…
最初のページを読み始めて、ぐいぐいと引き寄せられてあっという間に読んでしまった。その感想は、楽しかった、興味深い、と言うのもないわけではないが、多くは背筋の凍るような大変に身につまされる話であった。 「東日流外三郡誌」は、「つがるそとさんぐ…
いやー面白い。買って読み始めるとぐいぐいと引き寄せられ、前の『私の西域、君の東トルキスタン』と異なり、あっという間に、2日間で読み終えた。 現在の中国やその「民主化」について、関心のある方は必読かと思う。 本の表紙によれば、そのストーリーはこ…
やっと読み終わった。何かに対して、こんなに時間がかかって申し訳ないと思ってしまっている。もっと早く読めばとも思った。 とは言え、この本を読み終えて、王力雄はすごいなと畏敬の念を持った。そして、直感的な理解であるが、本書における王力雄とウイグ…
今、新疆ウイグルが大変なことになっている。 そのことについては、あまり贅言を要しない。もう結構前になるが、以下のイベントにも行ってきて、これは大変なことだなと、どうしたら良いだろうと考えさせられた。 【東京】ウイグル強制収容所から奇跡の生還…
歴史学は、世の中、或いは、もっと大げさに言えば、日本人ひいては人類に対して、何かメッセージを発することができるのではないか、そんなことを励まされた様な気がした。 本書では、聖ステパノ学園における混血児教育を縦糸に、各時代の混血児の社会的な立…
極東国際軍事裁判所(以下「東京裁判」)は、判決を公表してから70年以上もの歳月が流れたが、いまだに主張や論争の的となり続けている。それは、東京裁判が単に歴史の一コマであるだけでなく、現代の日本人の歴史認識にさえも、良くも悪くも影響を与え続け…
著者の隋藝さんから頂きました。ありがとうございます。自分と同じようなテーマで研究されている方がいるなぁと思っていたら、あっという間に御本を出版して、何よりも、本すら出版していない自身の怠惰さに打ちのめされております。 ざっと見た感じ、この時…
決定版 日中戦争 (新潮新書) 作者: 波多野澄雄,戸部良一,松元崇,庄司潤一郎,川島真 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/11/15 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 日本と中国の両政府の支援による日中歴史共同研究は、2006年に始まり、201…
実はも何もなく、私は大学で中国近現代史、この本で取り上げられる所謂「東洋史」を学び、まぁ、いろいろあって今に至るのであるが、この本を読みつつ、いろいろな先生の顔が、この本で描かれる見取り図の中のどこにどのように位置付くのか、あれこれと考え…
少し前に出版された吉田裕『日本軍兵士』(中公新書)は、主に第二次世界大戦下の日本軍兵士たちの実態を生々しく描き出し、大きな反響を得た。自分も同書から多くの知らなかった事実を学び、大変に勉強になった。 しかし、第二次世界大戦下の日本軍兵士の実…
現代的な問題意識がかなり強い。何のために明治の時代の歴史を描くのか、ということを強く意識した作品が本作になるということだろうか。 岩波ジュニア新書ということもあってか、論旨が大変に明快で分かりやすい。しかも、割と中高生が手に取っても、面白く…
明日と明後日、青森に旅行に行こうと考えており、その予習みたいなもので読んだ。 言うまでもなく、太宰治の傑作の一つに挙げられる作品になるだろう。 その作品に対して、僕などが今更、くだくだしく述べるのも何だか気障ったらしいと思ってしまう。が、し…
文化大革命を中国一国史で考えるのではなく、グローバルな戦後の社会主義・共産主義運動の中に位置づけようとした意欲作である。 文化大革命を国際的に論じる場合、これまで重視されたのは、ベトナム戦争との関連やヨーロッパ・アメリカの1968年運動等であっ…
本書は、社会主義者堺利彦の評伝である。幸徳秋水らが処刑された大逆事件後の弾圧の時代、堺利彦は「売文社」を立ち上げる。手紙や借金の依頼の代筆・外国語翻訳まで、あらゆる売文業を請け負い、窮地の同志達に仕事と居場所を与えた。そして、そこに集った…
苦しみというタイトルの割には、楽しそうな、本に対するノロケにあふれた書であった。 本で果たして床が抜けるのか否か、自分の蔵書を処分する時の気持ちとか、著者ほどではないが、私もどちらかと言えば、家に本を沢山持っている人間なので、あー、あるある…
池内敏『叢書 東アジアの近現代史第3巻 日本人の朝鮮観はいかにして形成されたか』 読了。叢書第1巻、第2巻と違って、前提となる知識が乏しいためか、読むのに時間がかかかった。江戸時代から植民地朝鮮までの日本と朝鮮との交流を様々な側面からオムニバ…
皆様。新年、明けましておめでとうございます。 実家にて読書とテレビ三昧です。今日の午後はBS世界のドキュメンタリーを見てました。 あの戦争から遠く離れて―私につながる歴史をたどる旅作者: 城戸久枝出版社/メーカー: 情報センター出版局発売日: 2007/08…
東方書店からのメールより引用。 ★『蒋介石日記掲秘』(上・下) 張秀章編著 北京 団結出版社 192018 2007年1月 6,468円 784p 23cm ISBN9787802142176 http://www.toho-shoten.co.jp/cbook/cbook.jsp?cbc=192018 2006年、蒋介石の日記が彼の遺族から、アメリ…